初めてのアジャイル開発

初めてのアジャイル開発 ?スクラム、XP、UP、Evoで学ぶ反復型開発の進め方?
日経BPのこのシリーズは安っぽい感じがして、敬遠していたのですが、本書の「第11章 プラクティスのヒント」「第12章 FAQ」をパラパラと立ち読みして買いだと判断しました。で、じっくり読んでみたのですが、これはThe Pragmatic Programmer: From Journeyman to Masterに匹敵するベストプラクティスのつまった良書です。

ついこの間ファウラーたんが、厳密なアジャイルプロセスの定義などないとBlikiでおっしゃられたばかりですが、本書はアジャイルプロセスに対する数多の疑問に、明解に答えを与えてくれます。

  • ほとんどのイテレーションでは、リリースは「内部リリース」である。
  • オンサイト顧客がいなければ、チーム内で要求をよく理解したメンバを顧客代理に任命せよ。
  • 顧客・上司にアジャイルプロセスを採用するよう説得するには、「どうしても採用すべきだ」と提案するのではなく、実験してみることを提案するとよい。

スクラム、XP、RUP、Evo(初めて知りました)の4プロセスの紹介も、過去読んだ本の中で、最も分かりやすく書かれています。オリジナルのタイトルが「Agile and Iterative Development」とどこにも「初めての」なんて入っていないのに、邦題に「初めてのアジャイル開発」と付けた訳者の気持が理解できる分かりやすさです。