人間の終焉

人間の終焉
スピリチュアル・マシーン―コンピュータに魂が宿るとき

GNR(遺伝子工学ナノテクノロジー、ロボット工学)の危険性を指摘しています。
人の存在価値を脅かす、これらの技術に「もう十分だ」と言おうではないか。これが作者マッキベンの一貫した主張です。
ビルジョイが警鐘を鳴らしたのと同じ内容です。
数年前に話題となったカーツワイルのスピリチュアルマシーン(人間の終焉でも何度となく引用されています)は、悲観的内容ではありませんでしたが、コンピュータテクノロジーの行きつく先を見せてくれました。


本作を読んで、思い出されるのが手塚漫画の集大成「火の鳥」です。これらの危険を孕んだテクノロジーがもたらす未来を、火の鳥の生命編、復活編、未来編は分かりやすく示してくれます。当時、手塚先生の思い描いていたことが予定よりもずいぶん早く、実現味を帯びてきたということは恐ろしいことです。SFに現実が追いつき追い越そうとしている訳ですから、もう未来は予測不可能です@_@。