バーンダウンチャートの縦軸・横軸

バーンダウンチャートの縦軸に作業時間(理想エンジニアリング時間)をとるか、機能/タスク数をとるかは様々のようです。
元祖のScrum本では縦軸がバックログ数で横軸がリリーススケジュール(イテレーション)です。リーンでソフトウェア開発本では、縦軸が作業時間(人日)で横軸が日付になっています。
決まった定義を探すのは難しいのですが、実践してみた経験上、

がよいと思うのです。
イテレーションの中では、機能数やタスク数を縦軸にとると粒度がまちまちで、グラフの傾きが安定しません。工数を縦軸にとれば、機能・タスクの重み付けができた状態になるため、より精緻な進捗が測れます。
こうした場合、1点問題があります。タスクの時間見積は、それを受け取った人が行うべきなのですが、イテレーションのすべてのタスクがイテレーション計画時にアサインされる訳ではないと思います。そうすると結局イテレーション中のタスクの総量(総作業時間)が見えず、バーンダウンではなくバーンアップしてしまうことが頻発します。これを回避するためのひと工夫として、計画時にはすべてのタスクを仮アサインをして、仮の作業時間見積をしてもらうと、全体のタスク量の推移が手にとるように分かるようになります。


一方、全イテレーションの進捗になると、縦軸の作業時間は非常に怪しくなります。先の方のイテレーションまで、作業時間の見積りが積み上がらないからです。仮に積み上がったとしても、その精度は非常に悪いものになるでしょう。したがって、この場合は「(リリースした)機能数-イテレーション」の進捗が適しています。通常エライ人が気にするのはこのレベルのものでしょう。


ということで、用途によって2種類のバーンダウンチャートを使い分けるのがよいと思うのです。